慰謝料~不貞の相手方~

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弁護士の佐藤です。 

 

 

今週もはじまりました。

 

 

さて、本日も慰謝料に関する判例を紹介していきたいと思うのですが、本日は不貞に関する慰謝料のお話です。

 

 

不貞というと、以前にも判例を紹介しているのですが、以前紹介した判例は、夫婦間同士の慰謝料請求であったのに対し、本日ご紹介する事例は不貞の相手方に対するもの、つまり、夫がとあう女性と不貞関係になった場合では、夫の妻のとある女性に対する慰謝料請求といった事案です。

 

 

前にもお話したかもしれませんが、この手の事案の慰謝料としては、100万円~200万円が多いと思われ、300万円以上の慰謝料の認定はあまりみたことがありません。が、本日は、その300万円が認められた事案です。

 

 

横浜地裁平成3年9月25日判決は、まず、不貞関係について、原告の夫が英語の指導をするなどから被告と情交関係を結ぶようになり、関係当初は、被告は男性に妻子がいることを知らなかったものの、知った後も情交関係を継続。その後、一旦関係は解消したものの、約3年後に再び条項関係を結ぶようになった事案で、横浜地裁平成3年9月25日は、

 

 

「被告は、訴外・・・に妻たる原告のあることを知った後もなお情交関係を結び、その後約三年間右関係を中断したものの、再びこれを結んで継続したこと、そして、この被告と右・・・との不貞関係が主たる原因となって原告と同人間の婚姻関係が破綻したものであることが認められる。したがって、被告は訴外・・・の原告に対する貞操義務違反に加担し、原告の妻たる地位を侵害したものであるから、原告が受けた精神的苦痛を慰謝すべき責任があるというべきである。」

 

として、被告の責任を認めた上、慰謝料の額については、

 

「原告が被告の不貞行為によって精神的苦痛を受けたであろうことは容易に推認されるところ、前記認定の事実及び本件に現れた諸般の事情を総合考慮すると、原告の右苦痛を慰謝するには金三〇〇万円が相当である。」

 

 

としました。

 

 

金額としては、やや高額で、判例は明確な理由を示していませんが、ブランクがあったとはいえ、不貞関係が長期化したことが原因と思われます。

 

 

もっとも、この裁判は少々特殊でして、この裁判の判決前に、原告とその夫との間で離婚及び慰謝料の支払いがなされており、上記判例は、

 

「原告と右・・・との離婚の主たる原因は被告と同人の不貞行為にあるというべきであるから、右金五〇〇万円の慰謝料には本件不貞行為による原告の精神的苦痛を慰謝する趣旨も当然含まれているものといわざるをえない。そして本件の不貞行為は被告と訴外・・・の原告に対する共同不法行為を構成し、それぞれの損害賠償債務はいわゆる不真正連帯債務の関係になるものと解するところ、本件では右のとおり共同不法行為者の一人である訴外・・・から原告に対し、既に前記認定の相当額を上回る慰謝料の支払いがなされているのであるから原告の本件精神的損害は全額填補されている関係にあり、被告の原告に対する本件損害賠償債務も右訴外人の履行行為により消滅したものといわざるをえない。」

 

として、請求自体は棄却となっております。

 

 

というわけで、本日は不貞に関する判例のご紹介でございました。

 

 

今週も気合いをいれてがんばります。

 

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