慰謝料~不貞の相手方③~

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弁護士の佐藤です。

 

 

さて、本日も慰謝料に関する判例をご紹介していきたいと思うのですが、本日も不貞の相手方に対する慰謝料請求のお話をしていきたいと思います。

 

 

まず、事案ですが、原告とその夫とは昭和42年5月1日に婚姻の届出をした夫婦であり、性格の相違等が原因になって夫婦関係が次第に悪化していき、昭和59年4月には非常に悪化していたところ、夫は、昭和62年5月6日、自宅を出てかねて購入していたマンションに転居し、Xと別居するに至りました。そして、被告は、同年4月ころ、アルバイトをしていたスナックで客として来店した夫と知り合い、夫から、妻とは離婚することになっていると聞き、また、夫が原告と別居して本件マンションで1人で生活するようになったため、夫の言葉を信じて、次第に親しい交際をするようになり、同年夏ころまでに肉体関係を持つようになり、同年10月ころマンションで同棲するに至ったというものです。

 

 

この事案は、最高裁まで争われた事件で、最高裁平成8年3月26日判決は、

 

 

「甲の配偶者乙と第三者丙が肉体関係を持った場合において、甲と乙との婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情のない限り、丙は、甲に対して不法行為責任を負わないものと解するのが相当である。けだし、丙が乙と肉体関係を持つことが甲に対する不法行為となる(後記判例参照)のは、それが甲の婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為ということができるからであって、甲と乙との婚姻関係が既に破綻していた場合には、原則として、甲にこのような権利又は法的保護に値する利益があるとはいえないからである。」

 

 

として、結論としては、原告の請求を棄却しました。

 

 

不貞の相手方に対する慰謝料請求で、この夫婦関係が破綻していたか否かは、争点となりやすいところであり、請求する側、請求される側、両方の代理人をやったことがありますが、前にも言ったかもしれませんが、夫婦関係破綻の立証のハードルはなかなか高いもので、本件のように別居していれば別ですが、家庭内別居の場合は、夫婦関係破綻は裁判所はなかなか認めてくれない印象をもっております。

 

 

というわけで、本日も慰謝料に関する判例のご紹介でした。

 

 

今週もまだまだ気合いを入れてがんばります。

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