弁護士雑感

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弁護士の佐藤です。

弁護士になったまあまあ日がたってますが、たまに、勝ち負けの話を聞かれたりします。どれだけ裁判に勝ってきたのかとかとう類の話です。

当然、裁判というものを仕事にしている以上、判決というものがあり、勝訴、敗訴という意味では勝ち負けは意識しないでもありません。

でも、例えば、民事事件では、判決までいかないものも少なくありません。というのは、判決まで行く間に、和解というものがあるからです。

民事事件では、訴訟を進めていく中で、お互い譲歩して和解できないかを検討するし、それは裁判官もすすめてきたりもします。

それと、判決で勝てると思っても、強制執行できる財産がないと、判決もただの紙切れになってしまうおそれもあります。

そうすると、結局、勝ち負けよりも、クライアントの気持ちをどれだけ満足させられたかが重要なのではないかと思ってます。

訴訟を進めていく中で、色々な選択を決断しなくてはいけません。その中でそれぞれの選択肢のメリットとデメリットを適切に説明して、クライアントに選択していただく。この適切な説明こそが、弁護士の使命であり、そこにクライアントの満足がうまれるのかなあと。だから、あまり、勝ち負けを意識したことはないというのが正直な感想です。

とはいえ、説明にはやっぱり苦労します。法律論と感情論はときにごちゃごちゃになります。そこを、分けて、適切に自分の思いと客観的な情報を伝えるのはなかなか難しいことだと常々感じています。

あと、余談ですが、私だけの話をすると、正直、勝った裁判というのもありがたいことにあるし、ニュースにでたり、記者会見でとりあげていただいたりもするのですが、普段仕事をしている中では、そういったものは記憶から消えていたりします。

なぜかと言うと、裁判に勝ったという余韻にひたる暇がないからです。

勝った満足感よりも、勝ち負けでいう負けでいう、負けの方が悔しいし、それは多分一生忘れないし、一つの裁判が終わっても、また次の裁判に頭を切り替えないといけません。

勝つ裁判も当然勉強になりますが、悔しさから学ぶことは本当に多いです。

 

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