夫婦同姓

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弁護士の佐藤です。

 

本日は,午前中裁判で,なかなか出口がみえないと思っていたところ,和解へ大きく前進いたしました。こういう時は、なかなか嬉しいものです。

 

で,午後は、お馴染みの法テラスでの扶助審査の担当でございました。

 

 

ところで,本日の毎日新聞のニュースで、

 

「日本人同士の結婚だと同姓か別姓かを選択できないのは『法の下の平等』を定めた憲法に反するとして、ソフトウエア開発会社『サイボウズ』(東京都中央区)の青野慶久社長(46)ら2人が,国に計220万円の損害賠償を求め、来春にも東京地裁に提訴する方針を固めた。」

 

とのこと。

 

夫婦別姓については,昔から訴訟となっているところで,最新の最高裁では、平成27年12月16日に,現行の夫婦同姓を合憲と判断しています。

 

もっとも、上記最高裁判決には、反対意見もあって、最高裁の裁判官山浦善樹氏は,  

「私は,多数意見と異なり,本件規定は憲法24条に違反し,本件規定を改廃する立法措置をとらなかった立法不作為は国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるべきものであるから,原判決を破棄して損害額の算定のため本件を差し戻すのが相当と考える。」

 

とし,その理由として,①社会構造の変化,②国内における立法の動き,③海外の動きを上げて言います。

 

特に,①社会構造の変化については,

 

「岡部裁判官の意見にもあるように,戦後,女性の社会進出は顕著となり,婚姻前に稼働する女性が増加したばかりではなく,婚姻後に稼働する女性も増加した。晩婚化も進み,氏を改めることにより生ずる,婚姻前の氏を使用する中で形成されてきた他人から識別し特定される機能が阻害される不利益や,個人の信用,評価,名誉感情等にも影響が及ぶといった不利益は,極めて大きなものとなってきた。」

 

とし、さらに、

「このことは,平成6年に法制審議会民法部会身分法小委員会の審議に基づくものとして法務省民事局参事官室により公表された『婚姻制度等に関する民法改正要綱試案』においても,『…この規定の下での婚姻の実態をみると,圧倒的大多数が夫の氏を称する婚姻をしており,法の建前はともかく,女性が結婚により氏を変更するのが社会的事実となっている。ここに,女性の社会進出が顕著になってきた昭和50年代以後,主として社会で活動を営んでいる女性の側から,女性にとっての婚姻による改氏が,その職業活動・社会活動に著しい不利益・不都合をもたらしているとして,(選択的)夫婦別氏制の導入を求める声が芽生えるに至った根拠がある。』として記載がされていたのであり,前記の我が国における社会構造の変化により大きなものとなった不利益は,我が国政府内においても認識されていたのである。」

 

と述べております。

 

また、③海外については、 (3) 海外の動き

「前提とする婚姻及び家族に関する法制度が異なるものではあるが,世界の多くの国において,夫婦同氏の他に夫婦別氏が認められている。かつて我が国と同様に夫婦同氏制を採っていたとされるドイツ,タイ,スイス等の多くの国々でも近時別氏制を導入しており,現時点において,例外を許さない夫婦同氏制を採っているのは,我が国以外にほとんど見当たらない。」

 

と判示しています。

 

男性にはなかなか苦労がわからないところなのかもしれませんが,離婚事件を扱っていると,姓を戻す大変さというのを感じることが多く,反対意見のように,夫婦同姓は、現代社会には合っていないし,少なくとも,なるべく早期に、選択制を導入すべきではないかと思っております。

 

 

例え,最高裁が合憲と判断しても,裁判官がかわれば,判例の変更はありうるので,下級審の裁判も含め,今後の裁判に注目しております。

 

 

というわけで、今週もあとちょっと。気を抜かずにがんばりましょう。

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