労働問題9~有給休暇について~

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弁護士の佐藤です。

いよいよ今年最後のブログとなりました。

さて、本日のお題は、先日友人から相談があった有給休暇の制度について簡単にお話します。

有給休暇とは、みなさんもご存知だと思いますが、受け取る給料の額を減らされることなく仕事を休むことができる労働者の権利です。

有給休暇制度を取り入れるかどうかを、勝手に会社が決めることはできません。有給休暇は、会社が任意に設定できるものではなく、法律、具体的には労働基準法によって定められた労働者の権利です。ですので、ワンマン社長が、うちには有給休暇制度がないなどということは許されません。

有給休暇は、仕事を始めてから6カ月経過した時点で初めて発生し、年に何日休めるかは、労働時間の長さによって変わってきます。

具体的には、次のようになります。

 

・勤続期間が6カ月の場合→有給休暇は10日

・勤続期間が1年半の場合→有給休暇は11日

・勤続期間が2年半の場合→有給休暇は12日

・勤続期間が3年半の場合→有給休暇は13日

・勤続期間が4年半の場合→有給休暇は16日

・勤続期間が5年半の場合→有給休暇は18日

・勤続期間が6年半以上の場合→有給休暇は20日

 

しかし、有給休暇にも、時効というものがあります。

それは、有給休暇が取得可能となって時点を起算日として2年で消滅してしまうのです。

つまり、労働者が過去3年分の有給を利用しようとしても、1年分は時効消滅していますので、2年分の有給休暇かしか取得できません。

では、有給休暇の有給とは、どの賃金のことをいうのでしょうか?

これには、法律に規定があり、休暇日における賃金は、就業規則等で定めるところにより、取得日における契約内容によって、次のいずれかに基づいて支払わねばならないとされています。

・平均賃金

・その日の所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金

・健康保険法に定める標準報酬日額 – 労使協定を締結しておく必要がある(当該協定を行政官庁に届出る必要はない)

時間単位年休の場合は、上記の額をその日の所定労働時間数で除した額となります。また、出来高払制その他の請負制による場合は、その賃金算定期間によって計算された賃金総額を当該総労働時間数で除した金額に、当該期間における1日平均所定労働時間数を乗じた金額が「通常の賃金」となります。

以上は、簡単な有給休暇に対する説明になりますが、問題は、日本における有給休暇取得率の低さです。

上記のとおり、有給休暇は、会社が労働者に与えた恩恵ではなく、法律上の権利であるにもかかわらず、まだまだ日本の労働者は、有給休暇の取得に消極的でありますし、逆に会社の理解もないのかもしれません。

うつ病や過労死、過労自殺などのニュースが絶えない中、行政等の指導の強化により、より有給休暇が利用しやすい環境を整えていかなければなりません。

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