労働問題26~安全設備と安全配慮義務~

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弁護士の佐藤です。

あっというまに、2月も半ばですね。本当に時間が過ぎるのが早いです・・・。

さて、本日も安全配慮義務についてですが、本日は、安全設備と安全配慮義務についてです。

まず、判例ですが、1階屋根工事に従事していた大工が地上に墜落して重傷となった事例において、裁判所は、「被告は、原告を高さ約三メートル以上の高所において木工事の作業に従事させており、原告が右高所から墜落する危険のあることは容易に予見することができたものと認められるから、本件事故の当時、前示安全配慮義務の履行として、外回りの足場、防網などの墜落を防止するための設備を本件現場に設置する(労働安全衛生規則五一八条、五一九条参照)とともに、右設備が設置されていない場合には、原告に対し、高所における作業に従事することを禁止するなど墜落による危険を防止するための措置を講ずべき義務があったものというべきである。」(浦和地裁平成8年3月22日判決)としました。

また、生コン製造会社の従業員が、業務命令に基づいてホッパーの異常の調査をするためストックヤード内の砂山に登った際、砂山が崩れてホッパー内に転落し死亡した事案で、「同被告会社は亡・・との労働契約に伴なう信義則上の付随義務として、労務の性質上できるだけの配慮をして亡・・の生命・身体・健康に危険を与えることのないように安全衛生に十分注意すべき義務(安全配慮義務)を負うものと解すべきところ、前記三に認定のとおり、被告・・生コンは「土砂に埋没することにより労働者に危険を及ぼす場所」である本件ストックヤードが南側から人が自由に出入りできる構造及び状態であったのを放置し、柵その他立入防止のための設備及びホッパーへの転落防止のための設備を設けず、本件ストックヤード内で亡・・を作業に従事させるにあたって安全帯を使用させるなど危険を防止するための諸措置を講じず、かつ、亡・・に対し、安全教育を十分行わなかった点において、右安全配慮義務を履行しなかったものというべきである。」(長野地裁上田支部昭和61年3月7日判決)としています。

上記のとおり、安全設備の内容と安全配慮義務については、職務内容、生命身体への危険性の程度等によって設置する基準が変わってきます。

なお、安全配慮義務と安全設備については、法律上も規定があり、労働安全衛生法、労働安全衛生規則に記載があり、一定の目安になるものと考えます。

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