労働問題23~安全配慮義務について②~

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弁護士の佐藤です。

さて本日も、前回お話した安全配慮義務についてですが、そのさらに具体的な内容、つまり、使用者が労働者に対し、具体的にどのような安全配慮義務があるかについては、当然、職種や内容によって異なってきます。

最高裁も、「使用者の右の安全配慮義務の具体的内容は、労働者の職種、労務内容、労務提供場所等安全配慮義務が問題となる当該具体的状況等によつて異なる」(昭和59年4月10日判決)として、個々の事案ごとにその内容を検討することとし、実際、その後の事件でも、さらなる具体的な義務を考察しています。

ちなみに、上記最高裁は、宿直の労働者が盗賊に刺殺された事故において、「上告会社は、A一人に対し昭和五三年八月一三日午前九時から二四時間の宿直勤務を命じ、宿直勤務の場所を本件社屋内、就寝場所を同社屋一階商品陳列場と指示したのであるから、宿直勤務の場所である本件社屋内に、宿直勤務中に盗賊等が容易に侵入できないような物的設備を施し、かつ、万一盗賊が侵入した場合は盗賊から加えられるかも知れない危害を免れることができるような物的施設を設けるとともに、これら物的施設等を十分に整備することが困難であるときは、宿直員を増員するとか宿直員に対する安全教育を十分に行うなどし、もつて右物的施設等と相まつて労働者たるAの生命、身体等に危険が及ばないように配慮する義務があつたものと解すべきである。」という具体的な安全配慮義務を認めました。

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