判例変更

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弁護士の佐藤です。

 

本日は、午前中、破産事件の債権者集会、午後も裁判が2件と、午前、午後と、事務所と裁判所を行ったり来たりしております。

 

 

ところで、先日、最高裁による判例変更があり、強制わいせつ罪の成立要件として、最高裁は、これまで、行為の性質や内容にかかわらず、犯人の性的意図を要するという立場をとっていました。

 

 

この立場ですと、仮に客観的にはわいせつ行為にあたるものでも、性的意図がないと強制わいせつ罪は成立しないことになり、実際、被害女性の手引で内妻が逃げたと信じた男が、報復のためにその女性を脅して裸にさせ、写真撮影したという事案に対し、男に性的意図が認められず、強制わいせつ罪は成立しないと判断しました。

 

 

ところが、今回、被告人が、知人から借金をする条件として、その要求に従い、7歳女児に対し、自宅で自己の陰茎を口にくわえさせるなど、性的虐待を加えた上で、その状況をスマートフォンで撮影し、知人に送信したという事案で、平成29年11月29日、最高裁は、被告人に強制わいせつ罪の成立を認めたのです。

 

 

こういう結論に至った背景には、「今日では、強制わいせつ罪の成立要件の解釈をするに当たっては、被害者の受けた性的な被害の有無やその内容、程度にこそ目を向けるべき」というものであり、その理由は大いにうなずけるところですが、この事案の一審、控訴審は、明確に、性的意図を不要としているところ、最高裁は、曖昧な表現となっており、明確に不要とまでは言っておりません。

 

 

こういった曖昧さを残す最高裁の態度は、相変わらずといえば相変わらずで、捜査機関による今後の捜査に裁量をもたせることになる結果といえます。被害者保護の観点や、罪刑法定主義という刑事原則からすれば、端的に性的意図は不要だったといえばよかったのかと思います。

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