刑事事件2~私選と国選~

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弁護士の佐藤です。

さて、本日も刑事事件についてお話します。

本日は、国選弁護人と私選弁護人についてです。

どうちがうかといいますと、簡単です。弁護士費用を国が払うか、被疑者なり、被疑者の家族が払うかの違いです。

国選弁護というのは、被疑者が逮捕された後、勾留請求されたら、被疑者は裁判所で勾留質問というものを受けます。この時に、質問にたちあった裁判官が、国選弁護人を必要とするかどうかを確認し、必要となった場合は、国の費用で弁護人を選任します。

選任のしかたは県の弁護士会によってまちまちかもしれませんが、静岡県では、国選弁護人の名簿があり、それぞれの弁護士に担当日をあてられ、担当した弁護士が接見に行きます。

なお、被疑者段階では、以前は、国選弁護人を付けられる対象事件が決まっており、それは、現在もそうなのですが、数年前に、その対象事件が拡大されました。

これまで、被疑者段階の国選弁護は、死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しく は禁固にあたる事件などの重大事件(殺人・強盗など)に限られていましたが、今回の拡張により長期3年を超える懲役若しくは禁固にあたる事件(窃盗や傷害、詐欺など)についても対象とされるようになっています。

もっとも、法定刑の重さに関係なく、逮捕された被疑者からすれば、早期に弁護人を付ける必要性は高く、日弁連などは、全件につき、被疑者国選弁護人をつけるよう働きかけをしています。

なお、よく人から、特に、被疑者から聞かれることですが、国選よりも私選で頼んだ方が、弁護人がよくしてくれる、刑が軽くなるなどという人がいます。これは、とんでもない誤解だと私は思っています。

国選であろうと、私選であろうと、やることはかわりません。国選だから手を抜くなどということはあってはならないことだと思っています。弁護士費用を支払ってくれるのが国だろうと、被疑者やその家族だろうと、全力で被疑者の利益を考え行動します。

なお、国選は国が弁護士費用を払うことが原則ですが、被疑者の資力の有無にかかわらず国が全てはらうわけではありません。

刑事事件の公判において判決で、主文、つまり刑の言い渡しのあと、訴訟費用は被告人の負担とするとなると、訴訟費用、つまり弁護士費用は、後日国から請求されることになります。

これは余談ですが、在宅、つまり、逮捕勾留されずに、家にいたまま、取り調べを受け、その結果、起訴されれば、裁判を受けることになります。その場合、被告人国選弁護人をつけるかどうかは、基本的には、被告人がきめることができますが、被告人がつけなくていいと言っても、ごくまれに、職権、つまり裁判所の判断で、被告人国選弁護人を選任するケースもあります。

そうすると、選任された弁護人は、まず、被告人の家に電話をするのですが、頼んだ覚えはないなどと、嫌な顔をされたりもします。そうなると弁護人もけっこう辛いのですが、まあ、なんとか説得して、公判の準備をします。

で、判決になって、訴訟費用を被告人とするとされた場合、被告人は、頼んでもいないのに勝手に弁護人をつけられ、おまけに、弁護人の費用まで負担されることになる・・・のでしょう。

これは、実際に担当した事件ではなく、勝手に私が想像しただけですが、被告人からしても辛いですよね・・。

まあ、そうならないよう、被告人とはよい関係を築いて、弁権人をつけてよかったと思っていただけるような弁護活動をしていきたいと思います(笑)。

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