刑事事件12~少年事件について~

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弁護士の佐藤です。

本日は、少年事件についてお話します。

少年事件の手続は、成人の刑事手続が大幅に異なります。

ここで、少年とは、審判時に20歳未満の者をいいます。

少年保護審判の対象となる「非行のある少年」には、犯罪少年,触法少年、ぐ犯少年の3種類がありますが、ここでは、「犯罪少年」、つまり,罪を犯した14歳以上20歳未満の少年の手続きについて説明します。

法律で、「禁固刑以上の刑にあたる犯罪」を犯したという嫌疑がある場合には、警察が捜査の上、事件が検察庁に送致されます。この場合、警察では、逮捕して送致する場合と逮捕しないで在宅事件として捜査し、検察庁に送致する場合があります。

検察官は、逮捕された少年の送致を受けたときには,場合によっては、10日間、勾留した上で捜査を行い、その後、家庭裁判所に送致します。検察官は、勾留請求をせずに直ちに家庭裁判所に送致することもあります。

これに対し、法律で、「罰金刑以下の刑にあたる犯罪」を犯したという嫌疑がある場合には、検察庁を経由することなく、警察から家庭裁判所へ直接送致されます。「罰金刑以下の刑にあたる犯罪」とは、例えば、軽犯罪法違反、侮辱罪などです。

警察又は検察庁から事件を送致された家庭裁判所では、必要な調査をし、審判を行う必要があるか否かを判断します。 その際に、少年の非行に至った原因や経緯等について詳細な調査が必要と認められる時は、観護措置の決定というものを出し、少年を少年鑑別所に収容することができます。

少年鑑別所では、少年たちが非行に走るようになった原因や、今後どうすれば健全な少年に立ち戻れるのかを、医学、心理学、教育学、社会学、その他の専門的知識や技術によって資質鑑別をして明らかにしていきます。ここでの収容は最高8週間と法律で定められています。 少年鑑別所に収容された場合もされない場合も、家庭裁判所は、調査の過程で、少年や保護者は家庭裁判所調査官と何回か面接をしたり、指導を受けたりして、その結果によって審判を受けることになるかどうかが決定されます。審判を受けずに手続きが終わることを審判不開始といいます。

更に、家庭裁判所は、少年を最終的に保護処分に決定するかどうかを判断しますが、この際、すぐに判断をくだすのが適当でなく、更なる調査が必要であると認めるときは,相当の期間、少年を家庭裁判所調査官に直接観察させる試験観察に付すこともできます。

その後、家庭裁判所は、家庭裁判所での調査や試験観察、少年鑑別所での資質鑑別を総合的に踏まえた上で、審判が必要と認められた場合、審判が開始されることになります。 審判の結果、保護処分に付することが出来ず(「非行事実なし」つまり「無罪」の場合)、又はその必要がないと認めるときは、「不処分」、定期的に保護司の保護観察官からの指導を受ける「保護観察」処分、「少年院送致」処分等の決定がなされます。

この際、家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁固に当たる罪の事件について、刑事処分相当と認めるときは事件を検察官に送致(逆送致)し、その中で有罪と判断されれば少年刑務所等の収容施設に収容されることとなります。逆送致の例としては,殺人,傷害致死,放火といった重大犯罪などです。

これまで少年事件を担当していて感じることは、成人の刑事事件よりも処分が厳しいということです。これはあくまでも私の感想ですが、成人であれば執行猶予がつくであろう事案でも、少年審判となると、少年院送致になってしまったことがありました。

これはなぜかというと、少年審判では、少年の家庭環境など重要視され、軽微な事案であっても、現在の家庭環境にもどすことはよくないとなると、少年院送致となってしまうのではないかと思います。

ただ、少年の今後の長い長い人生の中で、少年院で生活をしていたことが必ずしもプラスになるとは思っていません。心身の発達段階にある少年には、事件を機に生まれかわる可能性は十分にあると思っています。

そういう意味では、私は、もう少し試験観察をもっと利用すべきではないかと思います。

試験観察中でも、生活態度がかわらないというのであれば、少年院送致もやむを得ませんが、試験観察によって、少年の態度によい意味で変化が見られるのであれば、その可能性にかけ、保護観察とすることが増えてもいいのではないかと思っています。

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