内容証明郵便について

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弁護士の佐藤です。早いもので、もう10月です。年をとればとるほど時間のたつ早さを感じます。

さて、先日までは、借金問題についてお話させていただきましたが、本日は、テーマを変え、内容証明郵便について簡単に説明したと思います。法律論というよりは、技術的な話です。

弁護士は内容証明郵便というものをよく利用します。

内容証明郵便とは、誰が誰宛に、いつ、どのような内容の手紙をだしたのかというものを郵便事業株式会社が公的に証明してくれる郵便物の一種です。

例えば、お金を貸した相手に、お金の返還を求める手紙を書いたとします。これが、普通郵便で出すと、その相手が、そんな手紙は受け取っていないというとそれ以上証明することはできませんが、内容証明郵便ですと、先ほど申し上げた通り、内容を郵便局が公的に証明してくれるので、受け取っていないなどは通用しません。

この内容証明郵便ですが、その効果は、主に3つです。

一つは、証拠を残す必要がある場合です。

例えば、AさんとBさんが、Aさんを売り主、Bさんを買い主として、車の売買契約を締結したとします。Aさんは、車をすでに用意しているにもかかわらず、Bさんは約束の日にお金を払ってくれません。Aさんとしては、あらたにCさんに車を売りたいと思った場合、契約を解除しない限り、契約上の義務は残るため、Cさんに車を売ることはできません。

契約の解除はもちろん口頭でもできます。しかし、のちに、Bさんが、契約の解除なんて聞いていないとなると、Aさんとしては、解除を通知したという立証ができません。そこで、ちゃんと、契約の解除をBさんに通知したということを証拠として残すために、内容証明郵便を使うのです。

これは、ク―リングオフを利用するときも同様です。

また、時効を中断させるときも内容証明郵便を使います。

様々な請求権には時効というものがあります。請求を長年放置していたけど、時効ぎりぎりになって請求する場合、この時効を中断させないといけません。時効を中断させるには、裁判上の請求、つまり訴訟を起こすことで中断します。しかし、訴状を作成するにも時間はかかります、時効完成間際に弁護士に頼んでも、すぐに訴状を作成できるわけではないので、間に合わないことも考えられます。しかし、もう一つ、裁判外の請求により時効を中断させることもできます。法律上では、催告といいますが、この催告をしておくと、催告から6か月間は時効が完成しません。訴状の作成よりも、通常は内容証明の作成の方が短い時間で作成できるので、とりあえず、催告をして、のばされた6か月以内に訴状を作成していけばよくなるのです。そして、このときの、催告にも、上記と同様の理由で内容証明郵便を使うのです。

二つ目ですが、確定日付を得る場合です。

債権、例えば、お金を貸して、その返還請求をするという債権は、債権者は、原則的に誰にでも譲渡することができます。その際、債務者の同意は必要ありません。

しかし、債務者が、債権が譲渡されたことを知らないと、債務者は、旧債権者に借りたお金を返してしまい、旧債権者は、お金を受領して逃げてしまうという事態も想定されます。それでは、債権を譲り受けた債権者は困ってしまます。そこで、民法は、債権譲渡をする際、債権が譲渡されたことを債務者に対抗するために、債務者の承諾、または、通知をすることとしています。そして、この通知は、確定日付のある書証によるものとされており、内容証明郵便で送付することとなります。

最後の効果としては、心理的な圧力を加えるというものです。

特に、これは弁護士などの専門家に代理人となってもらい、弁護士が弁護士の名前を入れて作成することで、さらに効果が期待されます。

内容証明郵便は、上記のとおり、その内容を公的に証明できるという点で、普通郵便と異なることから、受け取る側としては、心理的な圧力を感じる可能性があります。また、弁護士の名前が入っていれば、さらにその圧力を感じるかもしれません。

そういう意味で、内容証明を送る人の本気さが相手に伝わるというものです。

もっとも、これはケースバイケースですが・・・。

内容証明の作成は、書き方などネットで例などがのっているため、ご自身で作成することはもちろん可能です。ただ、先ほど申し上げたとおり、心理的な圧力という意味では、弁護士が作成した方が効果が出やすいともいえます。内容証明を送付したことで事案が解決することもありますし、費用の方も、裁判等に比べ安価でできますので、まずはお気軽にご相談ください。

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