借金問題3~破産について~

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弁護士の佐藤です。

さて、本日も借金問題についてですが、本日は債務整理の3つめの手続として、破産についてお話します。

破産とは、みなさんもご存知でしょうが、債務の返済が不能となった場合に、裁判所に破産を申し立、借金をゼロにしてもらうという手続です。

破産は、個人再生と異なり、借金をゼロにしてもらう手続ですから、返済が不能な状態になることが必要であることのほかに、借入をした理由が問われます。生活が苦しいためということであればまず問題はありませんが、例えば、ギャンブルで借金をしたという場合にまで借金をゼロにしてもらうというのは、当然のことながら虫が良すぎます。したがって、借金の原因が、以下の理由による場合、借金がゼロにならない、つまり借金を免責してもらえません。これを免責不許可事由といい、破産法252条1項に規定があります。主な例としては、

・債権者を害する目的で,破産財団に属し,又は属すべき財産の隠匿,損壊,債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと

・破産手続の開始を遅延させる目的で,著しく不利益な条件で債務を負担し,又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと

・特定の債権者に対する債務について,当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で,担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって,債務者の義務に属せず,又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと

・浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ,又は過大な債務を負担したこと

・破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に,破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら,当該事実がないと信じさせるため,詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと

などです。

また、税金も免責の対象にはなりません。

破産の手続には、同時廃止事件と管財事件の2つに分けられます。

何が違うかと言いますと、破産は借金をゼロにするかわりに、財産がある場合、それをお金に変えて、債権者に平等に配当しなければいけないのが原則です。したがって、一定額以上の財産がある場合には、裁判所が管財人という者を選任し、管財人にその処分や配当をさせる手続を管財事件というのに対し、破産する人に財産がまったくない、または一定額に達していない場合には、管財人を選任することなく、破産の開始決定と同時に廃止決定までしてしまうことを同時廃止事件と言います。

件数としては、実際には同時廃止事件は圧倒的に多いといえるでしょう。

破産の場合、財産を処分して、債権者に配当するのが原則と言いましたが、あらゆる財産を処分してしまったら、いくら破産決定がおりても、破産者の経済的な立ち直りはできなくなります。

法律相談でもよく聞かれることですが、破産を申し立てる場合でも、一定の財産は破産者の手元においておくことができます。例えば、現金に関して言うと、99万円まで、その他の財産は、現在価値が20万円を超えないものです。したがって、自動車を所有していても、申立時の自動車の時価が20万円以下であれば、自動車を手放さなくてすむのです。

破産の最大のメリットは、当然、借金はゼロになることです。他方、当然のことながらデメリットもあります。

一番のデメリットは、免責許可を受けてから7年間は再び免責を受けることができなくなります。つまり、免責許可を受けてから、さらに借金をしてしまった場合、また破産の申立をしても許可を受けてから7年以内であれば、免責されず、借金は残ります。

次に、一定の職業や資格に制限がかかります。一定の職業とは、主に他人のお金の管理をする仕事です。弁護士などの士業も含まれる。

また、官報に掲載されるため、破産したことが他の人にも漏れてしまう可能性もあります。しかし、通常、官報を熟読している人は少ないため、これはあまり気にしなくてもいと思います。

以上が、破産に関するお話で、借金問題に関するお話も今回が最後になります。

なお、借金問題は、そもそもお金に悩んでのことであり、当然、弁護士費用も出せないという方も沢山いらっしゃると思います。一定の資力等の要件がありますが、弁護士費用を一括で支払えないという方は、法テラスという機関を利用することも可能です。これは、弁護士費用を法テラスが立て替えてくれ、利用する方は、それを分割(だいたい月8000円~1万円)で返していくというものです。

借金問題は、生活に直結する深刻な問題です。また、なかなか人にも相談できないデリケートな問題でもあります。しかし、これまで述べてきた手続などにより、何らかの解決方法は必ず見つかるはずです。どうか、お一人で悩まず、お気軽に当事務所までご相談ください。

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