借金問題1~任意整理について~

Penguins

弁護士の佐藤です。

前回までは離婚問題についてお話してきましたが、本日から借金問題をテーマにお話したいと思います。

借金問題についても法律相談の中では非常に多い相談です。

借金問題を解決する方法としては、大きく分けて3つあります。任意整理、個人再生、破産です。

今後詳しくお話しますが、個人再生は、裁判所を通して、債務を圧縮し、圧縮された債務を毎月返済していくという手続で、破産は、同様に裁判所を通して、借金をゼロにするという手続です。この2つのどちらかを選択するかは、主に住宅などの不動産を所有しているか否かで異なります。破産の場合は、基本的には借金をゼロにする以上、財産をすべて処分するというのが建前のため、所有している不動産も処分することになりますが、どうしても不動産は処分したくないという場合、個人再生の手続を利用することになります。

詳細は後日します。

そして、本日は、任意整理について少し詳しくお話したいと思います。

任意整理とは、簡単にいうと、裁判所を通さず、弁護士が債務者と債権者の間に入って、今後の返済方法などを交渉するという手続です。

つまり、毎月の返済金額が収入からみて大変だという場合などに、毎月の支払いが生活に支障のないよう毎月の返済金額を債権者と交渉して調整し、合意を成立させるというものです。

また、過払いという問題もあります。過払金という言葉はCMなどでもよくお聞きになる言葉だと思いますが、以前はほとんどの消費者金融会社が、法律(利息制限法)に違反して、高い利息を設定し、返済を受領していました(なお、現在は、利息制限法は改正されております。)。しかし、当然、法律には反しているため、法律に違反して支払った高い利息分は、法律上は、利息に充当されず、元本に充当されることになります。そうすると、長年返済をしている場合、法律にのっとって計算をしなおすと、法律に違反して支払った利息分が元本に充当される結果、債務が大幅に減ったり、場合によっては払い過ぎているというケースも稀ではありません。その払いすぎた分を過払金といい、消費者金融に返還を求めることを過払金返還請求といいます。

過払金が生じているかどうかは、消費者金融にこれまでの取引履歴を開示してもらい、これを法律にのっとって計算しなおす作業でわかります。当然ですが、法律に違反して貸付をしていた期間に返済の回数が多ければ多いほど、過払金が発生しやすくなるといえるでしょう。

ここで注意をしなければならないのは時効の問題です。すでに完済している場合でも、過払金が発生していれば、返還請求することは可能ですが、いつまでも過去に遡って返還請求できるというわけではなりません。

過払金の返還請求も一般の債権であるため、10年で時効にかかります。そして、この10年の起算点は、最終の取引、つまり最後の返済をした日からです。したがって、最終の返済をした日から10年が経過していれば、時効により、返還請求はできなくなります。

先ほども言いましたが、過払金は、現在取引がある場合だけでなく、すでに完済している場合でも時効にかからない限り発生している可能性があります。また完済しているので、過払金が発生している可能性はむしろ高いといえるでしょう。

したがって、現在借金をしているという場合だけでなく、過去に借金をしていたという場合には、今一度最終の返済日を確認してみてください。

それでは、次に、任意整理についての手続の流れについてお話します。

事件を弁護士が受任すると、各債権者に、受任通知というものを発送します。それと同時に、これまでの取引履歴を開示するよう求めます。

この取引履歴の開示には、通常2週間から1ヶ月程度はかかります。

因みに、受任通知を債権者に送達された段階で、請求は直接債務者にいくことはなくなりますし、受任通知が送達されてからの期間は、返済をする必要がありません。したがって、債務者の皆様には、その間、今後の返済に備えて、生活に支障がない程度に、お金を積み立ててもらうことを提案しております。

そして、取引履歴の開示を受けると、先ほど説明したとおり、法律による引き直し計算を弁護士がします。この引き直し計算によって、現在の正確な債務がわかります。また、過払金が発生していれば、その返還請求をします。

正確な債務がわかると、今度は債務者と話し合い、今後どのくらいの金額であれば返済していくことが可能かの話し合いをし、決まった返済計画案で、債権者と交渉していきます。そして、交渉がまとまれば、和解契約書を作成し、債務者の方には、その和解契約書に記載されたとおりに返済をしていっていただきます。

任意整理は、破産などと異なり、借入の原因などは問われないため、例えば、ギャンブルのため借金をしてしまったという場合でも、任意整理をすることができるというメリットはあります。

他方、任意整理にもデメリットがあります。

まず、裁判所を通さない手続のため、債権者が同意してくれないと意味がありません。したがって、支払期間があまりに長いと同意してくれないことも多々あります。

さらに、裁判所を通さなくても、受任通知を送ると、いわゆるブラックリストにのる可能性があるため、今後の借入ができなくなる可能性があります。

いずれにしても、債権者の同意があくまでも大前提となるため、同意が得られないと、今後述べる個人再生や破産手続を検討しなければいけません。

いずれにしても、多重債務の場合、現在の債務を確定させるためにも、取引履歴に開示が必要になります。多重債務でお悩みのかたは、まずは当事務所までお気軽にご相談ください。

 

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