事後強盗~共犯関係~

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弁護士の佐藤です。

 

2月も半ばですが、今日は変な暖かさですな。

雨ですけど・・・。

 

で、本日も刑法に関する判例のうち、事後強盗に関する判例をご紹介しますが、本日ご紹介する判例は、少々専門的な話にはなるのですが、事後強盗とう共犯という問題です。

 

どういう事案かといいますと、窃盗(既遂)犯人が、警備員に発見され逮捕されそうになった際、この段階で事情を知った共犯者A、Bと意思あい通じ共謀の上、逮捕を免れる目的で警備員に暴行を加え、これに傷害を負わせたというものです。

 

この点、第一審判決は、、窃盗の共同正犯でない共犯者A、Bは事後強盗の主体ともならないから、被告人ら3名について強盗致傷の共同正犯をもって擬律するのは相当でないとした上で、被告人の所為は、刑法240条前段(238条)に該当し、傷害の限度で同法60条も適用すると判示しました。

 

これに対し、控訴審である大阪高裁昭和62年7月17日判決は、

 

「共犯者二名が被告人の犯行に関与するようになつたのが、窃盗が既遂に達したのちであつたとしても、同人らにおいて、被告人が原判示マスコットを窃取した事実を知つた上で、被告人と共謀の上、逮捕を免れる目的で被害者に暴行を加えて同人を負傷させたときは、窃盗犯人たる身分を有しない同人らについても、刑法六五条一項、六〇条の適用により(事後)強盗致傷罪の共同正犯が成立すると解すべきであるから(なお、この場合に、事後強盗罪を不真正身分犯と解し、身分のない共犯者に対し更に同条二項を適用すべきであるとの見解もあるが、事後強盗罪は、暴行罪、脅迫罪に窃盗犯人たる身分が加わつて刑が加重される罪ではなく、窃盗犯人たる身分を有する者が、刑法二三八条所定の目的をもつて、人の反抗を抑圧するに足りる暴行、脅迫を行うことによつてはじめて成立するものであるから、真正身分犯であつて、不真正身分犯と解すべきではない。従つて、身分なき者に対しても、同条二項を適用すべきではない。)、傷害罪の限度でのみしか刑法六〇条を適用しなかつた原判決は、法令の解釈適用を誤つたものといわなければならない」

 

とし、かかる場合窃盗犯人たる身分を有しないA、Bについても刑法65条1項、60条の適用により事後強盗致傷の共同正犯が成立し、しかも同罪は真正身分犯であて、不真正身分犯ではないから、身分なき者に対しても刑法65条2項を適用すべきでないとしました。

 

もっとも、上記判決は、本判決は、傷害罪の限度でしか刑法60条を適用しなかった原判決の適条を誤りであるとしたが、原判決も被告人自身については刑法240条(238条)を適用しているから、右の誤りは判決に影響を及ぼさないとしております。

 

上記問題は、司法試験受験時代によく勉強した論点で、詳細を述べても仕方ないですが、事案としてはそれほど多いものではなく、今後の同様の事案で、判例の動向がきになるところです。

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