不当訴訟の要件

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弁護士の佐藤です。

 

今週も半ばまでやってきました。

 

本日、急遽、午後の打ち合わせが2件延期となってしまったため、思わず時間ができました。

 

こういう時間を有効に活用できるか、さぼってしまうかで、年末に向けて余裕をもって仕事ができるかどうか変わってくるわけでございます。

 

 

というわけで、少しサボ・・・

 

ではなく、起案を丁寧に、丁寧に作成したいと思います。

 

 

ところで、日々色々なご相談を受けているわけなのでうすが、中には、むちゃくちゃな訴訟を起こされ、被告になってしまったという方もいらっしゃいます。

 

こんな事件をよく弁護士が受けたなと思うやつです。

 

 

当然、訴訟には対応しなければいけず、弁護士をたてる費用というものも、基本的にはその方が負担しなければいけません。

 

 

そこで、相手に何らかの請求ができないかという話にもなります。

 

訴訟費用というのは、裁判に勝てば負けた人が負担することになるので、請求ができるのですが、それを超えて、不当訴訟だとして、逆に訴えを起こせないかというご相談を受けたりします。

 

 

この点で、判断をしめしたものが、昭和63年1月26日最高裁判決です。

 

上記最高裁は、

 

 

「民事訴訟を提起した者が敗訴の確定判決を受けた場合において、右訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは、当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係(以下「権利等」という。)が事実的、法律的根拠を欠くものであるうえ、提訴者が、そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知りえたといえるのにあえて訴えを提起したなど、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解するのが相当である。」

 

と判示しております。

 

このように最高裁は判断しているのですが、このハードルは非常に高く、実際不当訴訟となる事案というのはものすごく限定的になるといわざるをえません。

 

上記要件のうち、「提訴者が、そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知りえたといえるのにあえて訴えを提起した」という点が、なかなか立証しえないし、憲法上、裁判を受ける権利が認められている以上、安易に認定されるべきではないからです。

 

 

もっとも、平成25年12月24日広島高裁は、A会社の経理事務担当職員であったBさんが、Cさんと共謀して横領を行ったとして,Bさんに対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,損害賠償を求めた事件とに対し、Bさんが,上記事件は何ら根拠のないことを知りながら提起した不当訴訟であるとして,A社に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,損害賠償金(慰謝料+弁護士費用)を求めた事件において、

 

「乙事件において、一審原告が主張した一審被告丁原に対する不法行為による損害賠償請求権は、事実的、法律的根拠を欠くものであり、かつ、一審原告は、乙事件で主張する請求権が事実的、法律的根拠を欠くことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たのにあえて訴えを提起した、と認めるのが相当である。」

 

として、不当訴訟の認定をしました。

 

 

なお、1審では、棄却されているので、微妙な判定であり、今後どのように事実認定が行われるかは、判例の蓄積がまたれるところです。

 

これまでは、不当訴訟というものを聞くことがあまりありませんでしたが、弁護士人口の増加により、様々な類型の訴訟が増えれば、不当訴訟という議論は、さらに活発になるかもしれません。

 

 

で、ありがたいことに、空いた時間に、新規のご相談のご予約を賜りました。

 

 

気合をいれて、取り組みたいと思います。

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