不動産に関する問題8~請負契約における瑕疵担保責任について~

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弁護士の佐藤です。

さて、本日も不動産に関する問題のうち、前回に続いて瑕疵担保責任について簡単にお話します。

前回は、不動産の売買契約における瑕疵担保責任についてお話しましたが、今回は、請負契約における瑕疵担保責任についてです。

請負契約における瑕疵担保責任は、民法634条以下に規定があり、民法634条は、「仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。」(1項)とし、また、注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。」(2項)としています。

つまり、瑕疵の修補請求ないし損害賠償請求を認めているのです。

ここで、売買契約における瑕疵担保責任と異なるところは、請負契約における瑕疵担保責任では、「隠れた瑕疵」に限定されません。

次に、売買契約における瑕疵担保責任では、瑕疵の事実を知った時から1年以内に請求しなければいけないのに対し、請負契約における瑕疵担保責任では、原則として、目的物の

引渡しから1年以内にしなかればいけません(民法637条1項)。

もっとも、建物その他の土地の工作物の請負人は、その工作物又は地盤の瑕疵について、引渡しの後5年間その担保の責任を負います。さらには、この期間は、石造、土造、レンガ造、コンクリート造、金属造その他これらに類する構造の工作物については、10年とするという規定があります(民法638条1項)。

また、特別法においては、さらに注文者の保護をはかるべく、規定があります。「住宅の品質確保の促進等に関する法律」といいます。

この法律では、瑕疵担保責任について、「新築住宅」を対象とし、瑕疵の対象となる部分を、「構造耐力上重要な部分」「雨水の浸入を防止する部分」として政令で定めるものに限定しています。しかし、請求できる期間を目的物の引き渡しから10年とし、当事者の合意による特約で排除することはできないとする強行規定であり、保護が図られています(同法94条1項2項、95条1項2項)。

なお、請負契約によって完成した建物に瑕疵あった場合、請負人に請求する法律構成としては、瑕疵担保責任のほかに、債務不履行責任(民法415条)、または不法行為責任(民法709条)も考えられます。

もっとも、判例は、瑕疵担保責任が認められる場合には、債務不履行責任を問うことはできないとしています。瑕疵担保責任は、債務不履行責任の特則であるからです。そうすると、時効や損害がどこまで認められるかという点で変わってきます。

他方、不法行為責任の場合は、瑕疵担責任が認められる場合でも問うことはできます。ただし、不法行為責任の場合には、請負人の故意、過失を立証しなければなりません。

以上が、請負契約における瑕疵担保責任の簡単な説明になります。

瑕疵担保責任を中心とする建築問題は、医療過誤同様に専門的知識を要する分野です。また、前述のとおり、時効が非常に短くなっております。したがって、建築の瑕疵などにお悩みの方は、早期に弁護士などの専門家にご相談ください。

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