不動産に関する問題3~共有について~

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弁護士の佐藤です。

本日も不動産に関する問題についてです。

そして、本日は不動産の共有に関する問題についてお話します。

不動産の共有とは、例えば、建物や土地の登記簿上の名義が単独ではなく、複数の人が所有者となっており、それぞれ、共有持分がある状態のことを言います。

この共有関係にあることは、法律上様々な問題があります。

例えば、共有にある不動産を誰かに貸したい場合、共有者の持ち分の価格の過半数の同意がなければ、貸すことはできません。さらには、その不動産を誰かに売却したいという場合となると、共有者の全員の同意がなければいけません。

さらに、一番の問題は、共有状態のまま、長年放置しておくと、場合によっては相続の問題がからんできます。つまり、共有者の一人が亡くなると、当然相続が発生しますが、共有持分も当然に財産で相続の対象になるので、相続人が複数いると、共有者がさらに増える可能性があり、不動産の処分をする際、全員の同意を得るということも当然困難な事態が予想されます。

共有者全員がみなさん仲が良ければよいのでしょうが、共有者が増えれば増えるほど、足並みをそろえるのは困難になります。

そこで、共有関係を早期に解消した方がよいという場合ができてきます。

そこで、まずは、共有者間に話し合いをする方法が考えられます。解決方法としては、現物分割、換価分割、代償分割の3つです。

現物分割とは、文字通り、現物を持分に応じて分けるというものです。土地を分筆するなどです。

換価分割とは、対象となる不動産を第三者に売り、その代金を持分に応じて分けるという方法です。

そして、代償分割とは、特定の共有者のが、他の共有者にお金を払って、対象となる不動産を買い取る方法です。

もちろん、話合いなので、共有者の全員が納得しない意味がありません。

そこで、そういう場合には、裁判を起こすことになります。これを共有物分割請求訴訟といいます。この場合には、誰かが反対していても、最終的には判決という方法で裁判所が解決をしてくれます。解決方法としては、先に述べた3つの方法になります。

なお、民法上は、現物分割と換価分割の2つしか規定がありませんが(民法258条)、最高裁は、「共有物の性質等の事情を総合的に考慮し、またその価格が適正に評価され、取得者に支払能力があるなどの特段の事情が存するときは、共有物を共有者の一人または数人の所有とし、他の者には持分の価格を賠償させる方法、すなわち全面的価格賠償の方法による分割も許される」として、一定の要件のもと、代償分割を認めています。

なお、共有関係には、夫婦でなっているケースも少なくありません。住居である土地建物が夫婦の共有になっている場合などです。そして、夫婦であろうと、共有物分割請求をすることは可能です。

しかし、この夫婦が共有関係になっている場合で、すでに夫婦が別居しており、共有不動産から出て行っている夫が妻に対し、嫌がらせ目的で、共有物分割請求をしたケースで、権利濫用として棄却した判例があります。このケースでは、妻の資力や、妻と同居している子の状態等を総合的に判断して、権利濫用と認定したものですが、権利濫用と判断させるものは、他にも様々な事案で想定できるでしょう。

実際、私が担当した事件でも、夫婦関係ではないのですが、そういった問題があり、最終的には、原告に取り下げてもらったものがありました。

いずれにしても、共有関係は複雑な法律問題があり、また、後に紛争となる可能性が高いものと言えます。上記のとおり、共有関係は様々な方法で解決に導くことができます。まずは、お気軽のご相談ください。

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