不動産に関する問題2~賃貸借契約の解除について~

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弁護士の佐藤です。

静岡は、今朝台風が直撃し、すでに関東に抜けていったようですが、各地で被害がでているようです。

1日も早い復旧を願います。

さて、本日のブログも不動産に関する問題ですが、本日は賃貸借契約の解除についてお話します。

不動産、例えば、マンションやアパートなどの賃貸借契約を締結する場合、契約書には、よく「1ヶ月でも賃料の不払いがあった場合は、催告なしに賃貸借契約を解除できる」という条項があります。

では、1ヶ月でも賃料の不払いがあった場合には、本当に催告なしに賃貸借契約を解除できるのでしょうか?

結論から言えば、NOといっていいでしょう。

住居が事業所の不動産の賃貸借契約の場合、そこが生活の基盤となっているため、法律上も判例上も、借主に有利になっております。つまり、1ヶ月くらいで解除を認めてしまうと、借主は生活の基盤を失ってしまうためそれはあまりにも酷だというわけです。

判例は、賃貸借契約の解除については、「当事者間の信頼関係が破壊されているかどうか」というファクターで判断しています。

つまり、賃料の不払いの期間だけでなく、その他の要素も考慮し、総合的な判断で、貸主と借主の信頼関係が破壊されているかどうかと決めるのです。

また、不動産の賃貸借契約は通常期間が決まっております。アパートなどですと、通常は2年が多いでしょう。

では、期間が経過すれば、貸主は一方てきに、更新をしないということがいえるでしょうか?

これも結論から言えば、NOです。

不動産の賃貸借契約では、民法よりも、特別法である借地借家法が適用されます。

その借地借家法では、「正当の理由」がなければ、解約は認められません。

「正当の理由」とは、一概にはいえませんが、賃貸人が解除をしたい理由や、建物の現況、賃貸借契約に至った経緯や賃貸借契約の内容等を総合的に判断して決めます。このハードルはかなり高いと言っていいでしょう。

このように、不動産に関する賃貸借契約は、借主に圧倒的に有利に出来ていますが、必ずしも不動産の明け渡しを請求できないわけではありません。

法律上の規定はありませんが、例えば、立退料を支払うことで明け渡しに応じてもらうよう交渉をすることはよくあります。

また、賃貸借契約を締結する際、定期借家契約にすれば、例えば、2年の契約であれば、確実に2年で契約を終了させることができます。

前回もお話ししましたが、賃貸借契約についても、契約書が重要な効力をもちます。したがって、契約書を締結する際、疑問などがありましたら、契約書を交わす前に、弁護士などの専門家にご相談ください。

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