不動産に関する問題11~通行をめぐる紛争①について~

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弁護士の佐藤です。

本日も張り切って不動産に関する問題についてお話します。

本日は、通行をめぐる紛争についてです。

通行に関して、まず民法上規定があるのが囲繞地(いにょうち)通行権と呼ばれるものです。

例えば、他人の土地に囲まれていて公道に通じていない土地(袋地)を購入した人は、公道に出るためにはどうしたらよいでしょうか?

この場合、袋地の所有者は、公道に出るために、他人の土地を利用することが民法上認められているのです。それを囲繞地通行権と言います(民法210条)。袋地の有効な利用という考えのもと認められた権利です。

しかし、他人の土地を通行することになるわけなので、まったく自由な通行が認められるわけではありません。囲繞地通行権を有する人は、必要最小限の範囲を通行できるにすぎません(民法211条)。当然と言えば当然です。

さらに、囲繞地通行権を有する人は、通行する土地に対して、通行することで発生した損害に相当の金銭を支払わなければなりません(民法212条)。これも、他人の土地を利用するので当然といえます。

もっとも、この権利には例外もあります(民法213条)。

もともと共有であった土地を分割したことによって袋地が発生した場合には、その袋地の所有者が通行できるのは分割したもう一方の土地だけになります。また、土地の所有者が、その一部を譲渡したことによって袋地が発生した場合には、その袋地の所有者が通行できるのはもう一方の土地だけになります。

袋地となることが予想できたのでありますから、これも当然と言えるでしょう。

囲繞地通行権の主張方法は、これまで色んなところで説明してきたとおり、話し合いで決まらなければ、調停や裁判という手続きになります。

以上が囲繞地通行権についての簡単な説明になります。

次回は、通行のもう一つの柱、通行地役権についてお話します。

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