クレプトマニア

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弁護士の佐藤です。

 

さて、昨日、マラソンの元世界選手権代表選手が、窃盗罪で執行猶予付の判決が出たのち、執行猶予期間中に再び逮捕されるという報道がありました。

 

今回の逮捕による被害は、キャンディー一袋など3点で、被害金額は、382円とのこと。

 

なぜ執行猶予をもらえたのに、この方は、たかが数百円のものを再度盗んでしまったのか(または、疑われるようなことをしてしまったのか。(注)報道では、「店を出る前に商品を戻すつもりだった」とのこと)、疑問に思うかとも大勢いらっしゃるかもしれません。

 

が、実務だと、こういった方は少なからずいます。

 

今回の事件を詳しく知らないので、この方には関係ないかもしれませんが、窃盗を繰り返し行ってしまう方の中に、クレプトマニアに罹患している方がいらっしゃります。

 

このクレプトマニアとは窃盗症と呼ばれるもので、単純にお金がないからとか、高額なものが欲しいといった物欲的な衝動から物を盗んでしまうのではなく、その衝動により窃盗行為の実行時に緊張感を味わい、成功時に開放感・満足感を得るために、物を盗んでしまうもので、精神障害の一つとされています。

 

つまり、病気のため、必要なことといえば、基本的には、刑罰ではなく、治療であり、窃盗症による窃盗事件を担当した場合には、示談や被害弁償、監督者による情状の弁護も当然大切ですが、専門機関による通院や治療計画をたてることが、必要な弁護活動になってくるといえます。

 

医療がからんでくると、立証活動、弁護活動は非常に複雑で難しい面が増えるため、刑事裁判におけるこういった治療、病院との連携の必要性は強く感じるし、その必要性は、窃盗症に限ったことではありません。

 

 

そういった意味では、医師と弁護士とのつながりというのは今後さらに必要になっていくのだろうと思いますが、残念ながら、そこまでの確立は個々の弁護士で差があるような気がしています。

 

異業種とのつながりの必要性も最近、よく感じるところです。

 

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